2014年 07月 02日
アメリカ人の心の美学、サリーさんの場合は?(後編)
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連載エッセー(夏) vol. 11
独立記念日( Independence Day)が、近づいてきた。
1776年にアメリカ独立宣言が公布されたことを記念して、
パレードや花火で国をあげてのお祭りが行われる。
もうすぐですよ~♪
店頭に並ぶ、アメリカ国旗をあしらった品々もまた、
この日が近づいてきたことを知らせてくれる。
アメリカ人の心の美学、
サリーさんの場合は?
(ストーリーは、昨日の続きです。)
「壷を買ってくれてありがとう。
でも、ごめんね。
ジルさんが、あなたに壷を買うことを押し付けていたよね?
だから、無理をして欲しくなかったのよ。
お宅は、私たちの素晴らしいご近所さんだもの。
お金はもらえないわ。」
えっ?!
花と5ドルの返金に戸惑って、
急いでサリーさんのお宅に走ったけど、
この言葉を耳にして、私は彼女とご主人の顔を見つめてしまった。
ん?ちょっと、あのときのことを考えてみた。
そっか、私がサリーさんのガレージセールに行ったときに、
あの人がいたんだ。押しの強いご近所さん、ジル。
「みどり、この壷、たったの5ドルよ。買うべきよ!」
アメリカ人は、他人に自分の考えをコントロールされることを嫌う。
人は自由だからだ。それなのに、このジルさん。
自分の考え方を押し付けて、人をコントロールしようとする。
私とすれば、綺麗な壷だし、たったの500円だもの。
もう一つ、壷が必要だとは思わなかったけど、まぁいっか。
断るのも面倒だったので、5ドルで壷を買った。
自分の意思をひっこめて、和を保とうとした日本人の私。
サリーさんも壷が売れて喜ぶ。
ジルさんの意見に逆らうのも面倒。
だったら、壷を買っちゃおう!
たったの5ドルじゃないの。
それだ!
サリーさんは、その光景を見ていたのだ。
動物愛護団体を支持して、
犬を養子にもらったり寄付をしたりする心優しい彼女。
我が家で預かっていた義母の犬が迷子になったときも、
保護をして獣医さんに連れて行ってくれた。
そうそう、思い出した。
雪がふる寒い夜、保護されたあの老犬。
獣医にかかった費用も受け取らなかった。
困った私は、ランプをプレゼントしたっけ。
それ以来、彼女と私は友達になった。
あれ?
そういえば、サリーさん・・・
昨年の春、近所の奥さん7、8人を、
パーティーに招待してくれたことがあった。
そのときに、あのジルさんはいなかった。
サリーさんは、ジルさんを除外していたんだね。
人選をしたといっていたもの。
困った。
5ドルを受け取ろうとしないサリーさんとご主人。
これ以上、論争をしても仕方がない。
私はとりあえず、その場から去った。
ご飯でも作ってお届けしようかな?
ヤンキーの心は、とても優しくて敏感だ。
自分の中の正義をつらぬく。
そして、近所付き合いも大切にする。
だから、この5ドルの商売が、サリーさんには納得がいかなかったのだろう。
受け取って気持ちがいいお金ではなかったという意味だ。
ちなみに、サリーさん達は、お金持ち。
ガレージセールで並んでいた品々は、アンチークなどの高級品ばかり。
もらって当然のお金は受け取るけど、それ以外のお金は受け取らないようだ。
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by runninggirl_usa
| 2014-07-02 21:09
| 連載エッセー(夏)